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2009年12月24日 (木)

『初めての、お別れ!』(>_<)! (小学校1年生 ⅩⅥ)

小学校1年生も、何となく終わり、春休みを、遊び呆けていた頃であろうか?

その日は、突然、やって来てしまった。

私はいつもの様に、春先の、田んぼの中で、遊び回っていた。

そして夕暮れが近付いて、家に戻って来た。

でも、何かが重苦しかった。

祖母は何も言わなかった。

夕食も終わり、風呂に入り、寝るばかりになっていた。

すると母親が、そっと近付いて来て、

『ちーちゃんが行っちゃったから、もう、仲田さんの家には、行っちゃ駄目だよ。』

と言う。

私は、何の事だか、本当に、訳が判らないでいた。

私は、睡魔に負け、そのまま、寝てしまった。

次の日、長沢の友達と遊ぶ約束をしていたので、遊びに出掛けてしまった。

昨夜の、母親の言葉など、すっかり忘れていた。

だけれども、お昼時に、家に戻ってきた時に、突然、母親の言葉を思い出した。

『ちーちゃんの家には、行っては駄目。』

そう言われても、子供に通じるわけも無い。

私は、ちーちゃんち(家)に、寄ってみた。

すると、小母さんも、

『ちーちゃんはね、遠い所に、行っちゃったの。』

と言う。

私は、どうにも返答に困った。

小母さんは、家に上げてくれた。

ちーちゃんの部屋は判っていた。

だけれども、その、気配が感じられない。

それどころか、ちーちゃんのベッドや、箪笥や、大事にしていた、ステレオなども、まるっきり無かった!

とにかく、何も無い!

もぬけの空であった。

私には、本当に、訳が判らなかった。

小母さんは、紅茶を出してくれた。

何か言っている。

だけれども、聞き取れない。

何だか、涙を流している様であった。

私は、何となく、居場所に困り、いつもなら、絶対に残す事などない紅茶を残し、家を出た。

祖母には聞けない。

母親には、もう、言われた。

誰に聞いたら良いのか?

とにかく、遠い所に行っちゃった、らしい事は判った。

また、きっと、多分、戻って来るんじゃないのかとも思った。

だけれども、ちーちゃんの気配は、まるで感じられなかった。

ある日のこと、同居をしていた叔母が、

『ちーちゃんは、本当のお母さんとお父さんのところに、戻ったんだよ。だから、もう、帰っては来ないよ。』

と言った。

それも私には、何の事か、さっぱり理解ができずにいた。

もう、帰っては来ない。

私には、本当に、理解ができなかった。

『ちーちゃん』は、鹿児島の生まれだと言う。

向かいの小母さんには、子供が無く、ご主人も事故で他界されてしまったので、寂しくて、仕方が無かったのだと言う。

そこで、小学校を卒業するまで、向かいの小母さんの所に、預けられていたそうである。

随分後から、その小母さんに聴いた話であるが、『ちーちゃん』は、

『まだ、子供だから、判らないだろうから、私の事は、黙っておいてね。』、

と言ったそうである。

子供だから、判らない。

確かに、そうであった。

確かに、そうであったけれども・・・。

とっても優しい、お姉さんだった『ちーちゃん』。

そのお姉ちゃんが居なくなった悲しみは、その後、何回も何回も、繰り返し思い出され、じわじわと、私の心を、痛めていったのである。

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